知らないと危険―無登録で解体工事をするとどうなるのか

「小規模だし大丈夫でしょ」「元請に言われたから…」――そんな感覚で無登録のまま解体工事をしてしまうと、行政処分・罰則・工事停止・信用失墜など、思わぬダメージにつながります。
本記事では、どんな時に登録・許可が必要か、無登録のリスク、いま取るべき対策をコンパクトに整理します。
登録・許可が必要になるライン
解体工事は、金額や体制によって必要な手続きが変わります。目安は次のとおりです。
| ケース | 必要な手続き |
|---|---|
| 請負金額が500万円未満の解体工事 | 解体工事業の「登録」(都道府県) |
| 請負金額が500万円以上の解体工事 | 建設業許可(解体工事業) |
| 自社所有物件を自社で解体(他者から請負わない) | 原則登録・許可は不要(※別途届出が必要な場合あり) |
実務では、一式契約に解体が含まれる、分割契約、材料支給などで金額の見え方が変わることがあります。迷ったら早めに要件確認を。
無登録で工事をした場合の主なリスク
1.行政上の処分・罰則のリスク
- 無登録(無許可)での営業は行政指導・是正命令、場合によっては罰則の対象になることがあります。
- 両罰となり、法人と責任者の双方にリスクが及ぶケースも。
- 監督機関からの入札参加停止・指名停止等の不利益処分につながる可能性。
具体的な扱い・基準は地域や案件内容で異なります。必ず所在地・現場所在地の窓口要件を確認しましょう。
2.工事の中断・遅延
- 指摘を受けると工事ストップ→登録・許可が下りるまで待機に。
- 工期遅延は違約金・追加費用・人員再配置など連鎖的な損失を生みます。
3.契約トラブル・損害賠償
- 元請との契約条項に「必要な登録・許可を保持すること」が入っていることが多く、違反で契約解除・損害賠償請求のリスク。
- 下請への連鎖影響(再下請指導・支払遅延)も発生しがち。
4.保険・補償の不適用リスク
- 登録・許可を前提とする保険商品では、支払い対象外となる可能性。
- 近隣損壊・第三者災害時、自腹負担が極めて重くなります。
5.信用失墜・受注機会の喪失
- 発注者・金融機関・協力会社からの信用低下。
- 公共・大手案件の門前払い(資格要件未充足)で、将来の受注チャンスを逃します。
よくある「誤解」と注意点
- 「小規模ならいらない」 → 金額基準に該当すれば必須。小規模でも対象になります。
- 「元請の名義があるから大丈夫」 → 自社で請け負う部分の金額と役割で判断。名義の問題ではありません。
- 「解体はサービス的にやってるだけ」 → 契約・見積で対価性があれば業としての解体と見なされます。
- 「登録まで時間がかかるから先に着工」 → 指摘→停止→遅延コストのほうが圧倒的に高いのが現実。
最後に
解体工事は、請負金額が500万円未満なら「解体工事業の登録」、500万円以上なら「建設業許可(解体)」が原則必要です。
無登録のまま着手すると、行政指導や罰則だけでなく、工事停止による工期遅延、契約解除・損害賠償、保険の不適用、そして信用低下といった実害が一気に押し寄せます。しかも、一式契約や分割契約、材料支給の有無など契約の切り方で判断が変わることもあり、「小規模だから大丈夫」という思い込みは危険です。
着工前に金額と体制を整理し、登録か許可かを見極め、必要書類とスケジュールを先に固める——これが最も安上がりで確実なリスク回避策。もし迷いがあるなら、その時点で専門家に相談を。早めの一歩が、現場を止めずに守る最良の保険になります。
参考ブログ:「建設業を無許可で営業した場合のリスクと影響」

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