解体工事の法的ルールまとめ―登録・許可・届出の基準を整理

解体工事を請け負う際、「どの工事で登録や許可が必要か」を整理しておくことは大切です。解体工事では、建設業許可や解体工事業登録、建設リサイクル法の届出など複数の制度が関わるため、現場では混乱しやすいことがあります。

しかし実際には、解体工事業登録は工事金額の大小に関わらず、解体工事を“業”として行う場合に必須です。さらに建設リサイクル法の「80㎡基準」という別制度も絡んでくるため、現場では混乱しやすいのです。この記事では、登録の判断基準を中心に、建設業許可や建リ法との違いを整理します。

解体工事業登録とは

解体工事業登録は、建設業法に基づく制度で、解体工事を業として請け負う者は必ず行うべき登録です。目的は、安全で適正な施工を確保し、無登録業者による事故やトラブルを防止することにあります。

  • 登録をしている業者は、元請けや発注者からの信用を得やすい
  • 無登録のまま工事を行うと、建設業法違反となり行政処分や罰則の対象になる

解体を事業として継続的に行うなら、金額や規模にかかわらず登録は避けて通れません。

建設業許可との違い

解体工事に関連する制度として「建設業許可」と「解体工事業登録」があります。両者は混同されやすいですが、要件は明確に分かれています。

  • 建設業許可(解体工事業)
    請負金額が1件あたり 500万円以上(建築一式工事は1500万円以上)の場合に必要
  • 解体工事業登録
    請負金額の大小を問わず、解体工事を業として行う場合に必要

ポイントは「小さい工事だから登録不要」という考え方が誤りだということです。許可が必要になるほど大きな工事をしていなくても、業として解体を請け負うなら必ず登録をしておく必要があります。

勘違いしやすい「80㎡基準」との関係

「延べ床面積80㎡以上」という基準は、解体工事業登録ではなく、建設リサイクル法における届出義務の基準です。両者は別制度なので、混同しないよう注意が必要です。整理すると以下のとおりです。

建設業法(登録・許可)

  • 基準は「請負金額」
  • 500万円以上 → 許可
  • 業として行う場合(500万円未満含む) → 登録

建設リサイクル法(届出義務)

  • 基準は「延べ床面積」
  • 解体工事で80㎡以上 → 発注者が届出義務

解体工事で延べ床面積が80㎡以上の場合、建設リサイクル法に基づく届出は発注者が行う義務があります。

例えば、請負金額400万円・延べ床100㎡の木造住宅を解体する場合、施工業者解体工事業登録が必要であり、発注者は届出を行う必要があります。金額基準と面積基準はまったく別の制度であることを押さえておきましょう。

無登録で工事をするとどうなる?

解体工事業登録をしないまま請負工事を行うと、次のようなリスクがあります。

  • 行政処分(営業停止や登録取消し)
  • 罰則(建設業法に基づく罰金等)
  • 元請け・発注者からの信用失墜
  • 登録証を提示できず契約に至らない

近年はコンプライアンス意識が高まり、元請けが下請けに登録証や許可証の提示を求めるのが一般的になっています。そのため、無登録のままでは現場に入れないこともあり得ます。

登録に必要な条件

解体工事業登録を取得するには、次の条件を満たす必要があります。

  • 専任技術者がいること
    解体関連の資格保持者、または実務経験10年以上
  • 営業所を設置していること
    契約や書類を管理できる拠点
  • 欠格事由に該当しないこと
    過去の処分歴や破産など

資格がなくても実務経験10年以上あれば登録できるため、現場で長く働いてきた職人出身者でも申請可能です。

まとめ

解体工事を請け負う際のルールを整理すると、

  • 解体工事業登録 → 解体工事を業として行う場合に必須(工事金額は不問)
  • 建設業許可(解体工事業) → 請負金額500万円以上で必要
  • 建設リサイクル法の届出 → 延べ床面積80㎡以上で発注者に義務

となります。「小さい工事だから大丈夫」と思い込むのは危険です。金額と面積、両方の制度を照らし合わせて確認することが大切です。もし判断に迷う現場があれば、早めに専門家へ相談し、法令違反やトラブルを未然に防ぐようにしましょう。

解体工事業登録のイメージ画像

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