建設業から副業物販へ…古物商許可を取る前に知っておくべきこと

「現場で余った資材や工具をメルカリ・ヤフオクでさばきたい」「中古機械を仕入れて再販したい」――建設業の周りには売れる中古品がたくさんあります。とはいえ、一度でも「買い取って(または預かって)売る」行為を反復継続で行うなら、原則として古物商許可が必要です。
スタート時のつまずきを防ぐために、最低限ここだけは押さえましょう。
1.許可が必要になる“境界線”を理解する
許可が必要
中古工具・資材・機械を仕入れて(買取・委託・下取り)、反復継続で販売する/自社で使っていたものを継続的に売るビジネスにする。
原則不要
自分の私物を単発で処分するだけ、新品を卸から仕入れて新品のまま売るだけ(※ただし「新古品」「一度でも使用したもの」「開封後の部材流用」は中古扱いに転ぶケースが多い)。
要注意なグレー
現場から“もらった”中古品を継続的に売る、友人の品を“預かって”売る(委託販売)など。第三者の物を介して利益を得る構図は古物に該当しやすい。
迷ったら「仕入れて・検品して・再販売」=許可が必要、と覚えておくと事故が減ります。
2.許可を取る前に決めるべき3点
1.誰の名義でやるか(個人 or 法人)
建設会社としての副業なら法人名義が一体運用しやすいです。個人事業主で始める場合は、将来の法人成りで許可の取り直しや変更届が必要になる点に注意が必要です。
2.どこで営業するか(営業所の実体)
固定の事務所(机・書類棚・台帳保管・通信環境)が必要です。バーチャルオフィスや単なる荷受け住所は不可。自宅兼事務所でも実体が整っていれば申請可能です。
3.取り扱う“区分”を選ぶ(例:機械工具類・道具類など)
中古工具・発電機・コンプレッサー・ねじ切り機などを扱うなら「機械工具類」が定番。将来取り扱う可能性がある区分も最初から申請しておくと、後でやり直しになりません。
3.ネット販売で追加される注意点
サイトやアカウントの届出
自社EC、ヤフオク、メルカリ、Instagram販売など、販売に使うURL・IDは所轄への届出が必要になる運用です。始める前から使う予定の媒体を洗い出し、許可申請・変更届の段取りに織り込むことを心掛けましょう。
表示ルールの整備
特定商取引法の表示、会社名・住所・電話、古物商許可番号の表記、返品・送料ポリシーをテンプレ化しておく。
写真と説明文
中古は状態説明が命。動作確認結果、消耗部品の状態、付属品の有無、現場での使用歴など、クレームを避ける記述を標準化しておきましょう。
4.仕入れ時の本人確認と台帳管理
古物営業では、仕入れ時の本人確認(相手の確認)と古物台帳の記載が基本です。
- 本人確認:対面なら免許証等の確認、非対面(郵送・ネット・電話など)の場合は、法律で認められた方法が限られており、単に免許証の写真データを送ってもらうだけでは本人確認としては不十分です。
- 台帳:いつ・誰から・何を・いくらで買って、どこへ・いくらで売ったか。型式・製番がある機械類は必ず記録しましょう。
- 保管:一定期間の帳簿・確認書類の保存が義務。クラウド+紙で二重保管が安心です。
買取時はシリアル番号と状態写真を必ず残しましょう。盗難品疑いのトラブルを回避し、後日のクレーム対策にも効きます。
5.標識・管理者・警察の立入への備え
- 標識(プレート):営業所とウェブに許可番号等の表示します。
- 管理者の選任:日々の台帳や本人確認を誰が責任者として管理するかを明確にしましょう。
- 立入対応:警察の立入があっても、台帳・本人確認記録・在庫の整合が取れていれば問題なし。書類の所在を決めておきましょう。
6.建設業ならではの“あるある”落とし穴
- 新品扱いの誤解:展示品・開封済・現場で一度試運転した発電機は中古扱いになりやすいです。
- 産廃との境界:使用不能なガラクタは販売対象ではなく廃棄物。部品取りで価値があるかを冷静に判断しましょう。
- 他県現場での引取・販売:営業所の管轄や出張買取の運用に注意が必要です。移動が多い業種ほどルール設計が重要です。
7.申請のおおまかな流れ
- 事前整備:営業所の実体整備、管理者の選定、取り扱い区分の決定、ネット媒体の選定
- 必要書類の収集:住民票・登記関係・誓約書・略歴書・役員分・欠格事由確認など
- 申請(所轄警察署 経由で公安委員会へ)
- 標識作成・台帳準備・オペレーション整備
- 許可後の届出:サイトURL・IDの追加、営業所変更、管理者変更などは都度届出
最後に
副業物販は、建設業と相性の良い“第二の柱”になり得ます。
ただし、古物商許可・本人確認・台帳の3点を外すと、一発でつまずきます。最初に名義・営業所・区分・ネット媒体を固め、運用テンプレを作ることが成功の近道です。

お問い合わせ
「許可が要るかどうか」だけでもOKです。
6.建設業ならではの“あるある”落とし穴


