建設業を無許可で営業した場合のリスクと影響

建設業を営むには、請負金額や業種によって「建設業許可」が必要です。建設業法では、一定規模以上の工事を請け負う場合には必ず許可が必要と定められています。無許可営業は法律違反にあたり、発覚すれば厳しい罰則の対象となります。

実は建設業法では、許可が必要な工事を無許可で請け負った場合、会社も経営者も厳しい罰則の対象になります。今回は、無許可営業のリスクを整理し、今後の対応の参考になるよう解説します。

無許可営業の法的リスク

建設業法第3条では、請負金額が500万円(建築一式は1,500万円)以上の工事を請け負う場合には許可が必要とされています。このルールを破って営業すると以下の罰則があります。

  • 罰則内容
    ・3年以下の懲役または300万円以下の罰金
    ・法人の場合は両罰規定により会社も罰金対象
  • 行政処分
    ・将来の建設業許可申請で不利になる
    ・行政指導や営業停止命令が出る可能性もあり

許可を取らずに営業することは、軽い違反ではなく刑事事件レベルの扱いです。

実務面での大きなデメリット

無許可営業は罰則だけでなく、事業にも深刻な影響を与えます。

1.取引先からの信用喪失

元請や取引先は法令遵守を重視します。無許可営業が発覚すれば契約打ち切りや仕事の紹介停止につながる可能性があります。

2.公共工事・大規模案件に参入できない

許可がなければ公共工事や大手ゼネコンの案件はほぼ受注できません。長期的な成長を目指すなら早めの許可取得が必要です。

3.労災や事故対応で不利

現場で事故が発生した際、無許可営業だと法的責任や損害賠償リスクが大きくなります。保険会社の対応も厳しくなる可能性があります。

4.許可取得が困難になる

無許可営業歴があると、建設業許可を新たに申請する際に審査でマイナス評価されます。

「知らなかった」では通用しない

建設業法のルールは、事業規模の大小に関わらず全ての事業者に適用されます。「工事の規模が小さいから」「知り合いからの仕事だから」という理由は通用しません。

特に近年はコンプライアンス意識の高まりから、元請や施主も許可の有無を確認するケースが増えています。結果として無許可営業はすぐに発覚し、信用を失うことになります。

無許可営業になりやすいケース

許可の対象となる工事を知らずに請け負ってしまい、結果的に違反になる例もあります。

  • 見積時には500万円未満だったが、追加工事で超えてしまった
    → 工事途中で契約金額が増え、結果的に許可が必要な規模に
  • 下請としての立場でも、請負金額の合計で許可要件を超えていた
    →下請でも複数契約の合計金額が基準額を超えれば許可が必要。
  • 建築一式工事の金額基準を誤解していた
    → 建築一式工事は1,500万円以上(木造150㎡以上)で許可が必要というルールを知らなかった。
  • 個人事業時代の工事内容を会社設立後も継続していた
    → 法人成り後も個人時代の許可条件で営業してしまい、無許可扱いに

このような思わぬ落とし穴があるため、基準の正しい理解が必要です。

無許可営業を避けるためにできること

建設業許可の取得は確かに書類や要件が複雑ですが、リスクを考えれば早めに動くのが賢明です。

  • 現状の工事内容・請負金額を洗い出す
  • 将来の事業計画(工事規模・エリア)を見据える
  • 必要な要件(経営経験、技術者、財務要件など)を確認
  • 行政書士や専門家に早めに相談

無許可営業でリスクを抱えるよりも、計画的に準備を進めた方が事業運営はスムーズになります。

まとめ

建設業許可を取らずに営業することは、法的にも実務的にも大きなリスクを伴います。罰則の重さだけでなく、信用の低下や将来の事業展開に大きなマイナスとなるため、「今は必要ない」と思っていても早めに準備を始めるのがおすすめです。

「無許可営業」は一度でも発覚すれば大きな痛手になります。会社や経営者を守るためにも、建設業許可の取得計画をしっかり立てておきましょう。

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