産業廃棄物収集運搬業許可と欠格要件について

産業廃棄物収集運搬業を営むためには、都道府県や政令市の許可が必要です。

許可申請にあたっては、運搬車両や保管施設の要件、事業計画の適正さなどが審査されますが、もう一つ重要なのが「欠格要件」です。欠格要件とは、一定の条件に該当する場合に、そもそも許可が与えられない、または更新ができないというものです。今回は、この欠格要件について整理し、申請や事業運営の注意点を解説します。

欠格要件とは何か

欠格要件は、法律で明確に定められた「許可できない理由」のことです。

産業廃棄物収集運搬業の場合、根拠法は廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)であり、第14条の3などに詳細が規定されています。欠格要件に該当すると、新規申請だけでなく、更新申請や変更許可の際にも不許可となります。さらに、許可取得後に該当してしまった場合には、許可の取り消しにつながることもあります。

主な欠格要件の内容

廃棄物処理法における欠格要件は多岐にわたりますが、代表的なものを挙げると以下のようになります。

  • 禁錮以上の刑や特定の法律違反による罰金刑を受け、一定期間が経過していない場合
    廃棄物処理法や環境関連法令に違反し、有罪判決を受けてから5年が経過していない場合などが該当します。
  • 許可の取り消しを受け、一定期間が経過していない場合
    過去に産廃収集運搬業許可や産廃処分業許可を取り消され、その日から5年を経過していない場合です。
  • 法人の役員や使用人が欠格要件に該当する場合
    会社の場合、代表者だけでなく、取締役や業務を直接担当する役員、さらには政令で定められた使用人(支店長や営業所長など)にも適用されます。
  • 暴力団関係者が関与している場合
    申請者や役員が暴力団員である場合、または暴力団の利益になる関係を有している場合も欠格要件に該当します。
  • 成年被後見人または被保佐人である場合
    法的に判断能力が制限されている場合は、許可を受けることができません。

なぜ欠格要件が重視されるのか

産業廃棄物の収集運搬業は、環境保全や地域の生活環境維持に直結する重要な事業です。不適正な業者が参入すると、不法投棄や不適切な処理による環境汚染のリスクが高まります。そのため、過去の法令違反歴や社会的信用に関わる事実を審査し、適正な事業運営が期待できる者だけに許可を与える仕組みになっています。

欠格要件は「罰則」ではなく「予防策」としての意味合いが強く、事業開始前に一定の倫理的・法的基準をクリアしているかを確認する役割を果たしています。

欠格要件の確認方法と注意点

欠格要件に該当していないかを確認するためには、申請前に以下のような点をチェックしておく必要があります。

  • 役員や使用人の経歴や法令違反歴の確認
  • 過去の許可取消や行政処分の有無
  • 暴力団関係者との関わりがないかの調査
  • 個人の場合は破産や後見開始の有無

特に法人の場合、複数の役員や支店の責任者が関与するため、一人でも該当すると許可が下りません。また、申請時には「誓約書」の提出が求められ、虚偽の申告をすると刑事罰の対象になる可能性もあります。

欠格要件に該当した場合の対応

万一、欠格要件に該当してしまう場合、一定期間が経過するまで許可申請はできません。例えば、罰金刑を受けた場合は5年間、許可取消の場合も原則5年間は申請できません。期間経過後に再申請は可能ですが、その際も過去の経緯や改善状況を説明する必要があります。

法人の場合は、該当する役員の退任や人事変更によって欠格要件を解消できる場合もありますが、実態によっては自治体が一定期間の経過を求めることもあります。

まとめ

産業廃棄物収集運搬業許可の取得や更新において、欠格要件は非常に重要なポイントです。過去の違反歴や関係者の経歴によっては、事業計画や設備が整っていても許可が下りないことがあります。許可をスムーズに取得するためには、申請前に役員や主要使用人の経歴確認を徹底し、法令遵守の意識を高く持つことが不可欠です。

欠格要件は一度該当すると数年間は事業開始ができない大きな制約となります。事業者として長期的に安定した運営を目指すためにも、日頃から適正な業務管理と法令遵守を心がけましょう。

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