古物商許可で必須の管理者選任―選べる人・選べない人の違い

古物商許可を取得すると、営業所ごとに必ず「管理者」を置かなければなりません。ここでいう管理者とは、店舗の責任者という意味だけでなく、古物営業法に基づいて法令遵守や適切な業務運営を担う重要な立場です。
では、この管理者は誰でもなれるのでしょうか?今回は、古物商の管理者選任について、要件や注意点を整理していきます。
管理者とは何か
古物営業法では、古物商が営業所を設ける場合、営業所ごとに「管理者」を選任することを義務づけています。管理者は、営業所の業務が法令に従って行われるよう監督する責任を負います。つまり、単に「店長」という肩書きにとどまらず、法的に位置づけられた責任者という意味を持っています。
- 営業所ごとに1人必ず置く必要がある
- 経営者本人が管理者になることも可能
- 従業員を選任する場合、その人物が責任を担う
従業員を管理者に選任する場合、その人物が日常的に店舗運営や古物台帳の管理などを担います。もっとも、最終的な責任は事業者にあるため、「管理者=全責任を負う」というわけではありません。
管理者になれる人・なれない人
管理者は「誰でもなれる」わけではなく、古物営業法や関連法令で定められた要件を満たす必要があります。なお、個人事業主として古物商を営む場合は、事業主本人が自動的に管理者となります。
管理者になれる人
- 許可を申請する法人の役員、もしくは従業員
- 法令を理解し、業務を適切に運営できる立場にある人
- 営業所に常勤しており、実際に管理業務を行える人
管理者になれない人(欠格事由の例)
- 成年被後見人や被保佐人
- 破産して復権していない人
- 禁錮以上の刑を受け、5年経過していない人
- 古物営業法違反で処分を受け、一定期間が経過していない人
- 暴力団員、または暴力団員でなくなってから5年が経過していない人
これらの条件は、古物商許可の申請者自身が欠格事由に該当していないことと同様で、管理者にも適用されます。
参考ブログ:「古物商許可の欠格事由とは?許可が下りない主な理由を解説」
常勤性の要件
管理者は、実際にその営業所に「常勤」している必要があります。たとえば、経営者が複数の店舗を兼任して常時不在のような状態では、常勤性が認められません。
- 営業所に日常的に勤務していること
- 名義だけの管理者は不可
- 実際に従業員を指導・監督できる立場にあること
管理者の役割
管理者は、営業所で行われる古物営業を適法に運営するための実務的な責任者です。具体的には、次のような役割を担います。
- 古物台帳の管理と記録が正確に行われているか確認
- 従業員が古物営業法を守って業務を行っているか監督
- 警察など行政機関からの指導に対応
- 違法取引が行われないように内部体制を整備
管理者選任の手続き
古物商許可の申請時には、営業所ごとに誰を管理者にするかを届け出る必要があります。
- 法人の場合:申請書に役員のほか、各営業所の管理者を記載
- 個人の場合:原則として申請者本人が管理者。ただし従業員を管理者にすることも可能
- 変更があった場合:管理者を交代したときは遅滞なく変更届を提出
管理者の証明として、住民票や身分証明書などの添付が求められることがあります。
まとめ
古物商許可における管理者は、単なる店舗責任者ではなく、古物営業法に基づいて法令遵守を監督する重要な立場です。選任できるのは、欠格事由に当たらず、営業所に常勤して実際に指導・監督を行える人物に限られます。経営者本人が管理者になることもできますが、従業員を選任することも可能です。
「誰でもなれるわけではない」という点を押さえ、要件を満たす人物を確実に選任し、変更があれば速やかに届け出ることが、古物商営業をスムーズに行うための基本です。

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