産業廃棄物収集運搬業の許可を取るために必要な「運搬容器の基準」

産業廃棄物収集運搬業の許可申請では、運搬車両や人員体制だけでなく、実際に廃棄物を収める「運搬容器」にも法的な基準が定められています。容器の基準は廃棄物処理法施行規則に明文化されており、許可取得の可否に直結する重要な要件です。
本記事では、申請を検討する方に向けて、法令上の基準と実務上の確認ポイントを整理します。
法的根拠
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)第12条の2では、収集運搬業の許可を受けるための要件が規定されています。その詳細は、廃棄物処理法施行規則に定められています。具体的には同規則第8条の4において、次のような基準が挙げられています。
- 運搬容器は、廃棄物が飛散しない構造であること
- 廃棄物が流出しない構造であること
- 悪臭が漏れない構造であること
- その他、生活環境の保全上支障がない構造であること
運搬容器については、施行規則において『飛散防止・流出防止・悪臭の漏洩防止』が明確に求められています。どのような容器がこの条件を満たすかは、実際の使用形態や材質に応じて判断されます。
法令上「容器」は飛散・流出・悪臭の恐れがある廃棄物に求められるもので、すべての廃棄物を容器に入れる必要があるわけではありません。鉄骨や木材などの固形廃材は容器に入れる必要はありませんが、飛散防止のためシート掛け等の措置は必須です。
特別管理産業廃棄物の場合
廃掃法施行規則第8条の6では、特別管理産業廃棄物を運搬する場合の容器基準が追加で定められています。具体的には次のような要件です。
- 腐食や化学反応に耐える材質であること
- 気密性が高く、内容物が漏れ出さないこと
- 必要に応じて二重構造の容器を使用すること
たとえば廃酸や廃アルカリのような液体を扱う場合には、耐薬品性のドラム缶や専用ポリ容器が必要となります。感染性廃棄物であれば、厚生労働省の基準に沿った専用容器を用いることが求められます。
実務で想定される容器の種類
法令は抽象的な表現にとどまりますが、実務上は次のような容器が想定されます。
- 密閉式ドラム缶
- フレコンバッグ(内容物によっては内袋併用)
- コンテナ(液体用はバルクコンテナなど)
- 感染性廃棄物専用容器(黄色や赤色のバイオハザードマーク付き)
これらはいずれも「飛散・流出・漏洩の防止」に直結する構造を有しており、申請の際にも「使用する容器の種類」と「その適合性」を示すことが必要です。
許可申請との関わり
許可申請書には、使用する運搬車両や容器の概要を記載する欄があります。申請時点で基準に適合しない容器しか用意できない場合、許可が下りないこともあります。つまり「運搬容器の基準」は、事業計画の段階で必ず押さえておくべき条件のひとつといえます。
また、許可後も基準を満たさない容器を使って運搬すれば、行政処分の対象となります。特に特管産廃を扱う場合は、容器の不備が重大事故や環境汚染につながるため、実地での確認も厳格に行われます。
まとめ
産業廃棄物収集運搬業の許可を取得する際には、運搬容器が廃掃法施行規則で定められた基準を満たしていることが必須です。
基準は「飛散防止」「流出防止」「悪臭漏洩防止」の三点に整理され、特別管理産業廃棄物についてはさらに厳格な条件が加わります。申請前に使用する容器が適合しているかを確認することが、許可取得の第一歩となります。

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