商号変更・役員変更と建設業許可の関係

建設業を営む法人では、経営上の事情により商号(会社名)や役員構成を変更することがあります。これらの変更は会社法の登記手続だけでなく、建設業許可にも関係します。ここでは、法令に基づく取扱いを整理します。

商号を変更した場合の取扱い

建設業許可は、法人の基本情報をもとに付与されています。そのため、商号を変更した場合には、変更の日から30日以内に「変更届出書」を提出する必要があります(建設業法第11条第1項第1号、施行規則第3条第1項)。届出に必要な主な書類は次のとおりです。

  • 商業登記簿謄本(変更後のもの)
  • 変更届出書(所定様式)
  • 定款の写し(必要に応じて)

届出を怠ると、許可情報と登記情報に不整合が生じ、入札参加資格や契約手続で不備とされるおそれがあります。

商号変更後の実務上の注意点

商号変更に伴い、建設業許可の届出だけでなく、契約書・請求書・入札関係書類も新商号に更新する必要があります。公共工事を受注している場合は、発注者や元請業者への通知も忘れずに行います。

また、経営事項審査(経審)や入札資格の更新時期と重なる場合には、届出や書類更新を早めに済ませることが望ましいです。

役員変更を行った場合の取扱い

役員の就任や退任があった場合も、変更の日から30日以内に「変更届出書」を提出する必要があります(建設業法第11条第1項第2号)。この期限を過ぎると法令違反となります。

特に注意が必要なのは、変更対象の役員が「経営業務の管理責任者」に該当する場合です。この場合は、単なる届出ではなく、「経営業務管理責任者の変更届」として新任者の要件を証明する書類を添付します。

主な添付資料の例

  • 新任者の実務経験証明書
  • 登記事項証明書
  • 組織図・職務分掌表

経営業務管理責任者が退任し、新任者の届出が遅れた場合、要件を欠く状態となるため、改善指導や許可取消しの対象となることがあります。

併せて確認すべき事項

商号変更や役員変更は、建設業許可以外にも影響します。特に注意すべきは次の分野です。

  • 経営事項審査(経審)の申請書類
  • 入札参加資格申請(国・自治体)
  • 社会保険・税務関連届出
  • 他法令による許可(例:産廃収集運搬業など)

届出や書類更新をまとめて管理することで、手続き漏れや審査遅延を防ぐことができます。

まとめ

商号変更や役員変更は、登記だけでなく建設業許可上も届出が義務付けられています。変更内容に応じて、どの手続が必要かを正確に判断し、変更後30日以内に届出を行うことが実務上の基本です。

さらに、商号変更や役員変更は、社会保険・税務・他法令の許可にも影響します。とくに複数の許可(産廃・宅建・運送など)を持つ事業者は、建設業許可の届出と並行して、各種登録の変更も同時に済ませる体制を整えておくと安全です。

こうした変更届は、形式的な書類手続に見えても、事業の継続性や信頼性を支える重要な要素です。小さな変更でも正確に、期限内に処理することが、安定した経営につながります。

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