産業廃棄物収集運搬業で運べる廃棄物とは―法令で定める20種類を解説

産業廃棄物収集運搬業の許可を取得しても、すべての廃棄物を運べるわけではありません許可証には「運搬できる廃棄物の種類」が明示されており、この範囲を超えて運搬すると無許可営業(廃棄物処理法第14条違反)にあたります。今回は、法令上定められている「産業廃棄物の種類」を整理し、それぞれの代表例を整理していきます。

産業廃棄物の基本的な区分

以下は、施行令で定められている20種類の産業廃棄物の一覧です。実務ではこの区分に基づいて「運搬できる種類」が決まります。

  • 燃え殻(焼却炉の灰など)
  • 汚泥(排水処理・切削などにより発生)
  • 廃油(潤滑油・洗浄油など)
  • 廃酸(めっき液・酸洗液など)
  • 廃アルカリ(アルカリ洗浄液など)
  • 廃プラスチック類(包装材、断熱材など)
  • 紙くず(製紙工場や建設工事で発生)
  • 木くず(建設業・木材加工業由来)
  • 繊維くず(繊維製品製造業等由来)
  • 動植物性残さ(食品加工などで発生)
  • 動物系固形不要物(と畜場等で発生)
  • ゴムくず(タイヤ製造等に伴うもの)
  • 金属くず(鉄くず、アルミくずなど)
  • ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず
  • 鉱さい(溶鉱炉スラグ等)
  • がれき類(建物の解体などで発生)
  • ばいじん(集じん装置の集じん物)
  • 紙・木・繊維等の破片(特定工程から生じるもの)
  • 動物のふん尿
  • 動物の死体

これらのうち、「紙くず」「木くず」「繊維くず」「動植物性残さ」「ゴムくず」「金属くず」「ガラスくず等」「がれき類」などは、排出事業の種類によって産業廃棄物に該当するかどうかが異なる点に注意が必要です(例:建設業から排出される木くずは産業廃棄物、一般家庭からのものは一般廃棄物)

特別管理産業廃棄物(危険性が高いもの)

通常の産業廃棄物に比べ、毒性・感染性・引火性などの危険性が高いものは「特別管理産業廃棄物」として別区分になります。この場合、別途「特別管理産業廃棄物収集運搬業許可」が必要です。代表的なものは次のとおりです。

  • 廃PCB(ポリ塩化ビフェニル)を含む廃棄物
  • 廃油・廃酸・廃アルカリのうち有害物質を含むもの
  • 感染性産業廃棄物(医療廃棄物など)
  • 廃石綿等(アスベスト)
  • 有害金属を含むばいじん・汚泥など

これらを通常の産業廃棄物許可で運搬することはできません。

許可証の「品目欄」の確認が必須

許可証には「運搬できる廃棄物の種類」が個別に記載されます。例えば「廃プラスチック類・金属くず・がれき類」と記載されていれば、それ以外の廃棄物を運ぶことはできません。特に注意すべきは以下の点です。

  • 許可証に「積替え・保管を含む」と明記されていなければ、保管行為はできない
  • 許可証に記載されていない廃棄物を一時的に混載しても法令違反となる可能性がある
  • 委託契約書上の品目と許可証記載の品目が一致していない場合、委託契約自体が無効になるおそれがある

許可の範囲を守った運用を心掛けることが大切です。

まとめ

産業廃棄物収集運搬業許可で扱える廃棄物の種類は、法律で厳格に定められています。「どの廃棄物を運べるか」は、許可証に明記された品目で判断するのが唯一の正しい方法です。

業務を開始する前に必ず許可証の内容を確認し、契約書やマニフェスト上の記載と整合しているかを点検することが、違反を防ぐ第一歩となります。品目ごとの要件を正確に理解し、法令に基づいた適正な運搬を徹底することが、事業の信頼を守る最大のポイントです。

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