【建設業許可】とび・土工工事業の範囲と注意点

「とび・土工工事業」は、建設業許可の中でも非常に範囲が広く、他業種との区別が分かりづらい分野です。この記事では、法令上の定義をもとに、とび・土工工事業の範囲と注意点を整理します。
とび・土工工事業の定義
建設業法施行令第3条の1項に基づく業種区分では、「とび・土工工事業」とは次のように定義されています。
「くい打ち工事、くい抜き工事、土砂の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事、またはコンクリートその他の工作物の基礎を築く工事、足場の組立て、鉄骨の組立て、機械器具設置工事に附帯する鉄骨等の組立て等を行う工事」
つまり、構造物を支える基礎工事や、重量物を扱うための仮設・組立工事が中心です。主な工種には次のようなものがあります。
| 主な工種 | 内容の概要 |
|---|---|
| 土工工事 | 掘削、盛土、地業、造成など |
| くい打ち・くい抜き工事 | 杭の打設、引抜き、支持地盤形成 |
| 基礎工事 | コンクリート基礎、地中梁等の構築 |
| とび工事 | 足場、鉄骨建方、重量物揚重 |
| 機械基礎・仮設工事 | 重機架設や仮設構台の設置など |
とび・土工工事業は「基礎」「仮設」「構築準備」といった建設工事の初期段階を支える工種を広く含みます。ただし、個々の工事内容が他業種(例:鋼構造物工事業・建築工事業など)の施工範囲に該当する場合は、その許可区分が必要になる点に注意が必要です。
他業種との境界に注意
とび・土工工事業は、他業種と施工内容が重なるケースが多いため、工事の目的と施工範囲によって区分が変わることがあります。代表的な例を挙げると次のとおりです。
- 土木一式工事
複数の専門工事を総合的に請け負う場合。単なる土工や仮設だけでは該当しない。
- 建築一式工事
建物本体を含む場合はこちら。とび・土工工事業のみでは請け負えない。
- 解体工事業
建物・工作物の解体は原則こちらに該当。足場組立のみ行う場合はとび・土工工事業でも可。
- 石工事業・鋼構造物工事業
石積み・鉄骨製作など、素材の加工・製作を伴う場合は別業種。
施工内容によってはとび・土工工事業の範囲を超える場合があります。工事の目的・作業範囲・使用材料を正確に確認し、許可区分に合致する範囲で施工することが、安全かつ法令遵守の基本です。
専任技術者と資格の扱い
とび・土工工事業の専任技術者として認められる資格は、主に次のとおりです。
- 1級・2級とび技能士
- 1級・2級土木施工管理技士(種別:土木)
- 1級・2級建築施工管理技士(種別:建築)
- 登録とび・土工基幹技能者
これらの資格を持たない場合でも、10年以上の実務経験で専任技術者と認められることがあります。ただし、「とび・土工工事業としての経験」であることが明確でなければならず、他業種の現場経験を含めて年数を合算することはできません。証明書作成時は、工事名・施工箇所・担当業務を正確に記載しましょう。
まとめ
とび・土工工事業は、建設工事の中でも基礎・仮設を担う重要な業種です。しかし、他業種との境界があいまいになりやすく、内容によっては「土木一式」「解体工事業」など別区分となる場合があります。
また、専任技術者の資格・経験や、現場安全管理の法令遵守を徹底することで、許可業者としての信頼性が確立されます。許可を取った後こそ、「どこまでが自社の業種範囲なのか」を常に意識することが、違反防止と事業継続の鍵となります。

お問い合わせ
許可が取れるかどうかだけでもOKです。


