技能実習生を建設現場で受け入れるための許可要件と注意点

建設業界では人手不足の深刻化に伴い、外国人技能実習生を受け入れる企業が増えています。しかし、技能実習制度の目的は「技能移転による国際貢献」であり、労働力確保のためだけではありません。
そのため、技能実習生の受け入れには、建設業許可との関係を正しく理解しておくことが不可欠です。この記事では、実務で特に注意すべき法的ポイントを整理します。
技能実習制度と建設業許可の関係
技能実習制度は、外国人が日本で実際の業務を通じて技能を習得し、母国に持ち帰ることを目的とした制度です。建設業分野では、自社の技能を自社の現場で教えることが前提となっています。
技能実習生を配置して工事を行う場合、受入企業が建設業者として許可を取得していることが前提です。許可を持たない事業者が実習生を使って工事を請け負うと、無許可営業(建設業法第3条違反)となります。
技能実習制度は「労働者派遣」と異なる
技能実習生の雇用は、労働者派遣法の規制対象ではなく、制度上は例外とされています。ただし、技能実習生を他社の現場に出向させたり、元請からの指示で他社へ一時的に貸し出すことは原則禁止です。
これは、技能移転という制度の趣旨に反する行為であり、違反すると技能実習法上の不正行為に該当するおそれがあります。受入企業は、技能実習生を技能習得の対象として自社現場で指導することが求められます。
技能実習生を受け入れるための前提条件
建設分野で外国人技能実習生を受け入れるには、次の条件を満たしている必要があります。
| 要件区分 | 主な内容 |
|---|---|
| 建設業許可 | 元請・下請を問わず、請負金額が500万円(税込)以上となる場合に必要(建設業法第3条) |
| 実習実施者の要件 | 建設業を主たる事業として営み、許可を受けていること |
| 監理団体との契約 | 国の認可を受けた監理団体を通じて受け入れる必要あり |
| 雇用契約 | 実習生と自社が直接雇用契約を締結する(派遣ではない) |
| 実習計画 | 技能実習計画を作成し、外国人技能実習機構の認定を受ける |
監理団体は、許可業者であることを確認したうえで受入契約を締結するため、許可を持たない事業者は実務上受け入れができません。
許可取得時の実務上の注意
技能実習生を受け入れる場合、建設業許可を取得していることは前提ですが、それだけで十分ではありません。受入体制の整備、すなわち自社現場で技能を習得させるための体制を整えることが重要です。
監理団体は、この受入体制が整っている企業であることを確認したうえで受入契約を締結します。他社の現場に技能実習生を貸し出すことはできません。
まとめ
技能実習制度の目的は、外国人に建設業の技能を習得させ、母国に持ち帰って活用してもらうことです。
受け入れる企業は、建設業許可や制度要件を満たすことはもちろん、制度の趣旨を理解し、適法かつ計画的に運用することが求められます。法令に沿った運用を徹底することで、技能実習制度を安全・効果的に活用できます。

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